女性医学部門の特色
昭和大学産婦人科学講座では中山教授、矢内原教授時代を通して内分泌学(ホルモン学)の基礎研究が大変盛んでした。それに伴い、思春期、更年期と言った、ホルモン環境が激しく変化する時期の女性の臨床についても長い歴史と伝統を持っています。
現在は、従来の内分泌学の基礎の上に、発展しつつある臨床遺伝学等や心身医学の知見を活かした診療を行い、また、周産期、腫瘍、不妊分野の中でも特に内分泌的な要素の強い症例を担当するなど、総合的な女性医学の発展を目指しています。(骨盤臓器脱は、主として内視鏡チームで扱います。)
女性医学部門とは
従来産婦人科では、「周産期」、「腫瘍」、「不妊」を3本の柱としてきました。
近年、思春期医療、更年期医療をはじめとして、骨盤臓器脱治療、女性心身医学、女性内科、女性スポーツ医学と言った分野を包括した「女性医学」と言う概念が、従来の3本柱と並ぶ産婦人科の第四の分野として発展してきています。 日本産科婦人科学会の定義で女性医学とは「産婦人科の専門領域のひとつで、QOLの維持・向上のために、女性に特有な心身にまつわる疾患を主として予防医学の観点から取り扱うことを目的とする」と定義されています。当院では「日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定施設」「日本内分泌学会認定教育施設」であり、その指導医、専門医が診療にあたっています。
女性医学部門について
大学病院の特色として女性アスリートやがん治療後の早発卵巣不全、他科と連携の必要な摂食障害、小児科からの若年移行医療依頼など、女性のヘルスケアを中心とした医療に力を入れています。
・性分化疾患の性腺摘出術や外陰・腟形成術などの手術を実施し、必要に応じて臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーによるカウンセリングを行っています。
・女性アスリート支援として、体育大学にて定期的に健康相談を行なっております。
・東京産婦人科医会学校保健部の事業として東京都の中高生に対して性教育を行なっています。 ・性分化疾患の方に対して最近5年間では13件の手術を行いました。
主な対象疾患
思春期、性成熟期
無月経(性分化疾患や摂食障害含)、月経不順、月経痛、月経前症候群(PMS)、月経前気分不快障害(PMDD)、性感染症、性被害など
更年期、老年期
更年期障害、骨粗鬆症など