生殖領域部門の特色
当講座のリプロダクションチームの特徴は、大学病院の特色を生かし、内科疾患合併不妊症例や難治性不妊症に対しても積極的に不妊治療を行える事です。また、内視鏡技術認定医による腹腔鏡検査・手術も行っています。すなわち、画一的な治療方針ではなく、個々の患者さんの持つ妊娠に至らない原因を検索し、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微受精とテーラーメイドの治療方針を選択しています。
当チームの実績は採卵が年間約270例、胚移植が約100例、人工授精が約350例です。大学病院としては比較的症例数の多い施設になります。
生殖専門医の取得に留まらず、内視鏡技術認定医や臨床遺伝専門医の取得も同時に目指すことができます。
一人の患者さんに対して、生殖医療から周産期医療まで関わることができます。
大学病院として不妊治療を行う意義
当院に受診される患者背景は、高年妊娠や合併症妊娠などのリスクを有している頻度が比較的高いため、当科で妊娠成立した患者さんは、基本的に周産期チームに引き継がれ分娩まで治療が継続されます。
妊娠成立後は他分娩施設に紹介する不妊治療単独施設ではなく、赤ちゃんを出産するという不妊治療本来の目的を最後まで一施設で完結しうることが昭和大学産婦人科学講座リプロダクションチームの最大の特色と言えます。
また、365日24時間体制で救急対応が可能です。必要時は迅速に入院対応することが出来る面も、入院施設を有する大学病院の特色です。
主な研修内容
診療はチーム制で行っています。方針は毎週のカンファレンスで相談をし、情報共有や治療方針の確認を行っています。さらに周産期領域や婦人科領域と連携しながら、専門分野毎の得意領域を臨床に生かしています。また、学会発表や論文作成も積極的に行ってい、学位取得も実績があります。
生殖専門医育成コースでは、日本有数の生殖医療治療数を誇る加藤レディスクリニックや基礎研究も可能な成育療研究センター、癌生殖領域に関しては聖マリアンナ医科大学への国内留学の実績があります。特に当院では妊孕性存療法に力を入れており、ブレストセンターと定期的なカンファレンスを実施し、知識を高めることが可能です。
リプロダクション研修を研修して
西井医師
昭和大学を卒業し、2014年に当院産婦人科に入局されました。産婦人科専門医取得後、サブスペシャリティーとして生殖医療分野を選択し、2022年に生殖医療専門医を取得された先生です。
Q
産婦人科専門医取得後の勤務先について教えてください。
A
産婦人科専門医は国立成育医療研究センターに勤務しているときに取得しました。その後は生殖医療を専攻していたので、大学で修練を積み、国内留学という形で加藤レディスクリニックにて1年半研修させていただきました。国内トップクラスの生殖医療診療施設での研修は、技術の習得に加えて、最新の知見の考え方や臨床研究の進め方と、幅広く勉強になりました。その後は、昭和大学病院に戻り勤務しております。
Q
生殖医療の研修は主にどこで修練しましたか?
A
初めに不妊治療を研修したのが、成育医療研究センターでした。成育医療センターでは自分の外来枠を持たせていただき、毎日夕方に全体カンファレンスで全症例の見直しをしていました。カンファレンスでは基礎的な考え方から、生殖医療の必要な手技まで時には厳しく教えていただきました。抄読会も毎月行われており、最新の知見を学ぶことが出来ました。その後、大学病院で1年研修した後、加藤レディスクリニックへ国内留学し、修練を積みました。加藤レディスクリニックは非常に症例数が多く、1年間で約1万人の症例を経験することが出来ました。採卵術の件数は、成育医療研究センターで約40例、加藤レディスクリニックで約1000例行い、大学病院で生殖医療専門医を取得しました。それぞれの研修施設で、学会発表・英文論文執筆を行うことが出来ました。
Q
当院での研修を考えている方、生殖医療分野への道を考えている方々へ一言お願いいたします。
A
当院は、聖マリアンナ医科大学へがん生殖修練の国内留学の実績があり、生殖医療に関しては申し分ない実績があります。医局の雰囲気がいいのはもちろんのこと、各年代に在籍する仲の良い仲間と、一緒に昭和大学の生殖医療分野を盛り上げていきましょう!