【松本光司教授のコメント】
本研究では、HPV型別の臨床病理像を明らかにし「HPV16型陽性頸癌」、「HPV18型陽性頸癌」、「HPV16/18型陰性頸癌」という疾患概念を確立することを目指しています。感染症を原因とする悪性腫瘍では初めての試みになります。中咽頭癌ではHPV陽性癌と陰性癌では予後が大きく異なるため治療法を変えようとする動きがありますが、同様に子宮頸癌でもHPVタイピングやウイルスゲノム解析の結果によって治療開始前に予後が良好な集団を特定できれば、治療強度の個別化を実現でき、さらにHPV型別に予後が異なるメカニズムを解明できれば分子標的薬などの新しい治療戦略の開発につながることが期待できます。