第32回日本胎児心臓病学会を当教室准教授 松岡 隆が開催いたしました。
会期 2026/2/20-21
会場 昭和医科大学 上條記念館
テーマ 「Promising Future ~Balance of Singularity and Humanity~」
参加者 524名(3月6日現在)
○里見賞受賞者
【研究部門】内臓錯位症候群における心臓刺激伝導系配置異常のメカニズム
九州大学・大学院医学研究院・発生再生医学分野 松岡 良平
【チーム医療部門】地域をつなぐ胎児スクリーニングチーム医療
福山市民病院 小児科 河津 由紀子
【会長特別賞】 発生に基づいた総肺静脈還流異常症スクリーニング新手法の提案
慶愛病院 医療技術部画像診断科 河瀨 敬和
まずは、多くの皆さんにご参加頂きありがとうございます。また、関係各所のご協力の下、滞りなく学術集会を終えることが出来ました。皆様の思いが詰まった熱い学会であったと思います。あらためて心より御礼申し上げます。
胎児心臓病学会は小児循環器内科医師のみならず、小児循環器外科医師、産婦人科医師、検査技師、助産師、看護師、ソーシャルワーカーなど多職種が「胎児」心臓病を中心に集まっている日本小児循環器学会分科会です。以下に概要を報告いたします。出生前診断として意思決定を有森直子教授(新潟大学医学部保健学科)から特別講演を頂きました。まだ見ぬ胎児の出生前診断・検査に対する意思決定は近年の診断の早期化、遺伝学的検査の多様化は、今後ますます倫理的難しさを孕むと思います。また、診断の中心である超音波検査にはAIに応用が進んでおります。特別講演として浜本隆二先生(国立研究開発法人国立がん研究センター研究所 医療AI研究開発分野)から「医療AIの現状と未来」、韓国延世(ヨンセ)大学医学部産婦人科学教室教授Ja-Young Kwon先生から「The evolution of fetal cardiac assessment: an artificial intelligence paradigm」のご講演を頂きました。また、既にAIは社会実装のステージに入っており、小松正明先生(理化学研究所革新知能統合研究センター AI医用工学チーム)からAIの社会実装プロセスについてご講演頂きました。シンポジウムは、胎児診断された先天性心疾患の出口として「胎児診断された重症先天性心疾患はその後どう治療されるのか? 」、胎児循環動態評価の今後を考える「胎児心不全を考える」、今後スクリーニング検査のメインプレーヤーとなる検査士の皆さんに「検査技師による検査技師のための胎児心エコー」の三つを行いました。どれもこれも、Web開催では味わえない、リアル開催学会ならでは時間を超過する熱いディスカッションであり、会長冥利に尽きました。また、後進の育成は学会の重要な事業であり、実際の胎児心臓超音波検査4Dボリュームデータを用いた「次世代型シミュレーターOPUSを用いた胎児心臓超音波ハンズオンセミナー」を開催しました。参加者が黙々とPCに映る胎児心疾患を相手に、模擬プローブを操作している姿には明るい未来を感じました。最後に会長挨拶の一部を引用させて頂きす。
当教室はこのように学術集会を沢山開催しています。学会開催は教室の勢いを示しています。次の学会を皆さんと一緒に開催出来ることを楽しみにしています。
「今回、テーマを「Promising Future ~Balance of Singularity and Humanity~」としました。私は、未来は希望に満ちたものである(Promising Future)と信じています。その未来をより良いものにする為に今があるのだと思います。進歩は「時間の経過とともに、よりよい状態に進むこと」であり、進化は「環境に適応して、変化すること」だそうです。つまり、「進化」が「進歩」を生み、Promising Futureに繋がって行くのだと思います。その進化と進歩を、サブテーマである「Balance of Singularity and Humanity」に表しました。「Singularity」とは、技術的特異点(AIが人間の知能を超えうる転換点)を意味しています。様々な医療の進化は今転換点を迎えています。しかしながら、医療の原点は「Humanity」であり、技術革新と人間性のバランスの先にこそ、約束された未来があるということをテーマに込めました。〜中略〜 未来を担う子供たちと家族のために共に深化していきましょう!」